お別れの会とは葬送方法の一つです。
まず、「偲ぶ会」との違いは、一般的には、没後四十九日(しじゅうくにち・仏教用語・7週間)の間に執り行なう会を「お別れの会」、その後、執り行なう会を「偲(しの)ぶ会」と言っています。
従って、一年後、二年後でも「偲ぶ会」と言います。
なお、なぜ、「四十九日」を境にするかと言うと、四十九日法要の後、納骨(墓に遺骨を納めること)するケースが多いからです。
その形態は、複数の種類があります。
※ 密葬とは、他界したことを世間に知らせず、限られた人たちだけで葬送することです。家族葬・親族葬・直葬は、密葬に含まれます。
※ 家族葬とは、遺族(親・兄弟姉妹・配偶者・孫)だけで行なう葬送方法で、世間には一切訃報を流さない「密葬」の一つと定義します。
※ 親族葬とは、遺族(親・兄弟姉妹・配偶者・孫)と親族(親戚)だけで行なう葬送方法で、世間には一切訃報を流さない「密葬」の一つと定義します。
※ 直葬とは、葬儀(通夜・告別式)という儀式を行わず、荼毘(だび)に付すことです。具体的には、病院等から、直接、斎場へ向かい、火葬することになります。
「お別れの会・3形態」の中で、最も多いのは、「C」の形態です。
その背景や理由は、次のようなものが挙げられます。
葬儀(通夜・告別式)とは別に、お別れの会を開催する場合、その良いところと、悪いところは、次のことが挙げられます。
葬儀はよく「三日戦争」と言われます。亡くなった日を一日目とすると、二日目の夜が「通夜」、そして、三日目が「告別式」。
その間、遺族は親族や知人・友人・ご近所への連絡、葬儀社との打ち合わせ、遺影用写真の選択など慣れない事に多忙を極めます。
それに比べて、お別れの会は、開催(日程や会場)を決めてから当日まで、最低、3~4週間あります。
その間、落ち着いて準備が出来ます。
「故人はこんな風にしたかった(のではないか?)」「故人のためにこんな風にしてあげたい」など、その内容をゆっくり考えることが出来、また、それを形に出来ます。
会場費、飲食代、祭壇、返礼品など、じっくり選び、複数の候補を比較して、時には、価格交渉をすることが可能です。
葬儀(通夜・告別式)は、誰が参列するか、事前に喪主は分かりません。
しかし、お別れの会は開催を案内する人を、主催者が選べます。
「(参会してくれるかどうか分からないけど)あの人には、ぜひ、案内したい」
案内される側は、一ケ月前後先の開催ですから、都合がつきます、あるいは、日程調整出来ます。
特に、遠方の方は、交通機関や宿泊の予約をするのに助かることになります。
ほとんどの主催者にとって、お別れの会の準備は初めての経験です。
また、参会者として、会に出掛けたことが無い人も沢山います。
だから、何からどう準備していいか分からない、ということです。
お別れの会を開催する場合、一般的には、ホテルや宴会専門会場です。
そのホテルや専門会場も、結婚披露宴の先約が有る場合、一部を除き、予約が取りにくい事情があります。
結婚式専門会場は、平日のように結婚披露宴が無い場合も、予約を受け付けない所が、まだ、多いというのが実情です。
また、葬儀(通夜・告別式)を執り行なう葬祭場で、お別れの会を開催した実績は、弊社の場合、ありませんでした。
なお、弊社の開催実績上、最も多いのは、「ホテル・平日・昼間」です。
「〇時から〇時まで開催します。ご都合の良い時間にお越し下さい」という方式です。
受付→献花→立食(歓談)→三々五々退場 という流れになります。
「開会は〇時からです。冒頭、セレモニー(式典)を行ないます」という方式です。
受付→開会→献花→開式→黙とう→主催者挨拶→追悼の言葉→献杯の発声→立食(歓談)→三々五々退場
という流れ。
受付→開会(開式)→黙とう→主催者挨拶→追悼の言葉→献花→立食(歓談)→三々五々退場
という流れ。
お別れの会の開催日時を決め、会場を予約したら、それを参会対象者に案内する段階に入ります。その方法は次の通りです。なお、複数の方法を併用する場合もあります。
新聞の社会面や地域面に掲載します。
案内状・出欠返信用葉書・会場のアクセスマップ(地図や交通案内)を同封して封書を郵送します。
案内文・会場のアクセスマップを一枚にして送信します。
場合によっては、出欠返信用書式も送ります。
メール、LINE、Facebook、ブログ、ツイッター などで案内します。
「案内方法② 案内状の郵送」と同じ内容の物を主催者関係者が参会対象者に持参します。法人の場合、よく用いられます。
「案内方法②~⑤」では、「出欠を取る方法」と「出欠は取らない方法」があります。
それぞれのメリット・デメリットは次の通り。
参会者数を事前に把握できるため、「ムダ」が生じません。
(例)料理・献花用の花・制作物(例: しおり)・返礼品
①手間が掛かります。(例)出欠返信用葉書の作成・同封
②会場は返信先になり得ません。
手間が掛りません。(例)出欠人数の把握
①参会者数が読めないため、「ムダ」が生じます。
(例)料理
②参会者予想数が外れると、不足する物が生じます。
(例)料理・献花用の花・返礼品
案内状が届いた場合、出欠返信用葉書が同封されていたら、投函期限までに葉書をお送り下さい。
案内状が届いて、出欠返信用葉書が同封されていない場合、開会時間帯(式典がある場合は、開式時刻)をご留意されてお出掛け下さい。
案内状が届いた場合、出欠返信用葉書が同封されていたら、投函期限までに葉書をお送り下さい。
お悔やみの言葉をひと言添えるとベターです。
会社(法人)が主催者になって、葬送の機会を開催することを決めた際、具体的な準備を始める前に、次の点を周囲と確認する必要があります。
献花のタイミングは、次の案があります。
①白い菊 ②白いカーネーション ③白・赤・黄色のカーネーション ④白いバラ ⑤赤いバラ ほか
お別れの会は、原則、無宗教(スタイル)です。
但し、例えば、キリスト教の場合、一般的なお別れの会と異なる点があります。それは、祭壇に安置するものです。
一般的な会の場合、①遺骨、②位はい、③遺影 ですが、キリスト教の場合、位はい はありません。
お別れの会に出席出来ない場合、弔電を会場に送ることがあります。
その文面は、葬儀の場合と変わりません。
しかし、定型文ではなく、自身で考えた文面は遺族の気持ちを癒します。
なお、弔電がプログラムの中で、司会者が披露するかどうか、それはあくまでも、主催者の意向によります。
お別れの会は、そもそも、有名人・著名人のためのものでした。
しかし、現在、企業経営者のそれに加えて、一般の人もお別れの会を催すまでになりました。
ちなみに、有名人・著名人のお別れの会に一般の人が参会できるのは、会場が東京都(が運営する)青山葬儀所など、限られた場所のみです。
但し、ホテルで開催される場合、一般の人も参会(献花)が許されることがありますが、それは、新聞広告される場合に限られます。
ところで、2019年9月4日、ジャニーズ事務所社長・ジャニー喜多川さん(享年87)のお別れの会が、東京ドームで開催されました。
当日午後は、一般の人も入場が許されたため、筆者も出掛けて行きました。
当日夜、入場者は「9万人」と報道されましたが、その99%が女性でした。
法人が開催する場合、「予想参会者数×2~3万円」が目安です。
一方、個人(家族)が開催する場合は、「予想参会者数×1~2万円」が目安になります。
その内訳で、大きい金額は「室料・食事代・飲料代」ですが、それのみで@1万円前後になっています。
法人が主催する場合は「会社負担」が多く、案内される際、「香典(供花・供物)は辞退させて頂きます」と明記されています。
個人が主催する場合、主催者が全額負担、または、会費制、あるいは、会費で賄い、不足する分は主催者が負担する方法です。
なお、会費の金額は「ホテルで飲食がともなう場合」、最低1万円が相場になっています。
また、5千円~1万円のケースも、勿論、ありますが、その場合は候補会場や祭壇などに一考を要します。
お別れの会に友人として参会(出席)する場合、悩むのが「香典(金額)」です。
しかし、それは「葬儀に参列する場合と同じ」と考えれば、年齢、地域、そして、故人との親密度によって決まってきます。
お別れの会の場合、歓談(会食)が始まる場合、あるいは、歓談(会食)の途中で「献杯(の発声)」があります。
主催者が発声者に依頼するのですが、発声者は発声の前に故人との「縁(ゆかり)」について、ひと言触れる場合が多いです。それは、1~2分にして下さい。
なお、故人が好んでいた飲料を、祭壇前に置くこともお忘れなく。
弊社の実績豊富なフェアウェルプランナーが親切丁寧にお応えいたします。
費用の概算、おすすめの会場、開催の時期、プログラム、お別れの会・偲ぶ会・社葬の違い…など