偲ぶ会とは故人を偲ぶ機会のことを言いますが、「お別れの会」との違いは、一般的には、没後四十九日(しじゅうくにち・仏教用語・7週間)を境にして、それ以前が「お別れの会」、それ以降が「偲ぶ会」と定義しています。
従って、逝去日から1年が経過した際(一周忌)開催、逝去日から2年が経過した際(三回忌)開催する場合も「偲ぶ会」と言います。いつまでに偲ぶ会をやらなければならない、という決まりはありません。
なお、なぜ、「四十九日」を境にするかと言うと、四十九日法要の後、納骨(墓に遺骨を納めること)するケースが多いからです。
偲ぶ会には複数の形態があります。
※密葬とは、他界したことを世間に知らせず、限られた人たちだけで葬送することです。家族葬・親族葬・直葬は、密葬に含まれます。
※家族葬とは、遺族(親・兄弟姉妹・配偶者・孫)だけで行なう葬送方法で、世間には一切訃報を流さない「密葬」の一つと定義します。
※親族葬とは、遺族(親・兄弟姉妹・配偶者・孫)と親族(親戚)だけで行なう葬送方法で、世間には一切訃報を流さない「密葬」の一つと定義します。
※直葬とは、葬儀(通夜・告別式)という儀式を行わず、荼毘(だび)に付すことです。具体的には、病院等から、直接、 斎場へ向かい、火葬することになります。
※法事と法要
法要は、僧侶に読経(どきょう・どくきょう・どっきょう)してもらうことです。故人の命日などに行われます。法事は、「法要+会食=一連の行『事』」のことです。
上記「偲ぶ会・形態」の中で多いのは、「AとC」の形態です。
その背景や理由は、次のようなものが挙げられます。
①葬儀は、身内(遺族・親族)や、ごく親しい人たちだけで、ゆっくり落ち着いて行ないたいので、家族葬や親族葬にしたい。
友人・知人とのお別れの機会は、その後、時間を掛けて準備したいから。
②亡くなったことを世間が知ると、焼香や香典持参で自宅への訪問客が絶えないから。
③故人と親しい友人が「気持ちの整理がつかない」「自分(たち)が発起人を引き受けても良い」と言うから。
葬儀(通夜・告別式)とは別に、偲ぶ会を開催する場合、その良いところと、悪いところは、次のことが挙げられます。
①落ち着いて準備が出来ます。
葬儀はよく「三日戦争」と言われます。亡くなった日を一日目とすると、二日目の夜が「通夜」、そして、三日目が「告別式」。
その間、遺族は親族や知人・友人・ご近所への連絡、葬儀社との打ち合わせ、遺影用写真の選択など慣れない事に多忙を極めます。
それに比べて、偲ぶ会は、開催(日程や会場)を決めてから当日まで、期間があります。その間、落ち着いて準備が出来ます。
②希望・意向を形に出来ます。
「故人はこんな風にしたかった(のではないか?)」「故人のためにこんな風にしてあげたい」など、その内容をゆっくり考えることが出来、また、それを形に出来ます。
③費用を比較出来ます。
会場費、飲食代、祭壇、返礼品など、じっくり選び、複数の候補を比較して、時には、価格交渉をすることが可能です。
④案内する人を選べます。
葬儀(通夜・告別式)は、誰が参列するか、事前に喪主は分かりません。
しかし、偲ぶ会は、開催を案内する人を、主催者が選べます。
「(参会してくれるかどうか分からないけど)あの人には、ぜひ、案内したい」ということを思うことが出来ます。
⑤案内される側に親切です。
案内される側は、開催日まで時間がありますから、都合がつきます、あるいは、日程調整出来ます。
特に、遠方の方は、交通機関や宿泊の予約をするのに助かることになります。
①経験者が少ない。
ほとんどの主催者にとって、偲ぶ会の準備は初めての経験です。
また、参会者として、会に出掛けたことが無い人も沢山います。
だから、何からどう準備していいか分からない、ということです。
②会場候補が限られる。
偲ぶ会を開催する場合、一般的には、ホテルや宴会専門会場です。
そのホテルや専門会場も、結婚披露宴の先約が有る場合、一部を除き、予約が取りにくい事情があります。
結婚式専門会場は、平日のように結婚披露宴が無い場合も、予約を受け付けない所が、まだ、多いというのが実情です。
また、葬儀(通夜・告別式)を執り行なう葬祭場で、偲ぶ会を開催した例は、聞いたことがありません。
なお、最も多いのは、「ホテル・平日・昼間」です。
「〇時から〇時まで開催します。ご都合の良い時間にお越し下さい」という方式です。
受付→献花→立食(歓談)→三々五々退場 という流れになります。
「開会は〇時からです。冒頭、セレモニー(式典)を行ないます」という方式です。
受付→開会→献花→開式→黙とう→主催者挨拶→追悼の言葉→献杯の発声→立食(歓談)→三々五々退場 という流れ。
受付→開会(開式)→黙とう→主催者挨拶→追悼の言葉→献花→立食(歓談)→三々五々退場 という流れ。
偲ぶ会の開催日時を決め、会場を予約したら、それを参会対象者に案内する段階に入ります。その方法は次の通りです。なお、複数の方法を併用する場合もあります。
新聞の社会面や地域面に掲載します。
案内状・出欠返信用葉書・会場のアクセスマップ(地図や交通案内)を同封して封書を郵送します。
案内文・会場のアクセスマップを一枚にして送信します。
場合によっては、出欠返信用書式も送ります。
メール、LINE、Facebook、ブログ、ツイッター などで案内します。
「案内方法② 案内状の郵送」と同じ内容の物を主催者関係者が参会対象者に持参します。法人の場合、よく用いられます。
上記「案内方法②~⑤」では、「出欠を取る方法」と「出欠は取ら
ない方法」があります。それぞれのメリット・デメリットは次の通り。
参会者数を事前に把握できるため、「ムダ」が生じません。
(例)料理・献花用の花・制作物(例: しおり)・返礼品
①手間が掛かります。(例)出欠返信用葉書の作成・同封
②会場は返信先になり得ません。
手間が掛りません。(例)出欠人数の把握
①参会者数が読めないため、「ムダ」が生じます。
(例)料理
②参会者予想数が外れると、不足する物が生じます。
(例)料理・献花用の花・返礼品
案内状が届いた場合、出欠返信用葉書が同封されていたら、投函期限までに葉書をお送り下さい。
案内状が届いて、出欠返信用葉書が同封されていない場合、開会時間帯(式典がある場合は、開式時刻)をご留意されてお出掛け下さい。
案内状が届いた場合、出欠返信用葉書が同封されていたら、投函期限までに葉書をお送り下さい。
お悔やみの言葉をひと言添えるとベターです。
偲ぶ会に友人として参会(出席)する場合、悩むのが「香典(金額)」です。
しかし、それは「葬儀に参列する場合と同じ」と考えれば、年齢、地域、そして、故人との親密度によって決まってきます。
葬儀から1年後を一周忌と言います。
一般的には、「法要(=僧侶による読経)」を行ないます。
その後、会食することを含める一連の行事を「法事」と言います。
なお、法事を偲ぶ会にする場合があります。
それは、次の理由が挙げられます。
葬儀(通夜・告別式)を家族葬・親族葬・直葬にしたため、友人・知人の参列が無かったので、遺族・親族が落ち着きを取り戻した機会(一周忌)に、友人・知人に集まってもらおう、という考え方です。
寺院で法要を行なった後、ホテルで偲ぶ会を行なう。
この場合、法要は遺族・親族のみで行ない、偲ぶ会(会食)に友人・知人を招く、という方法が一般的です。
ホテルで法要と会食を行なう、法事(=偲ぶ会)です。
この方法は難しい点があります。
それは、一般的なホテルは読経・焼香をさせてくれない所が多いからです。
特に、土曜日曜祝日、結婚式をホテルで行なう人が多いため、利用目的が「法事・偲ぶ会」と伝えた時点で断られます。
但し、婚礼シーズン以外なら受け入れてくれるホテルもありますし、また、地域やホテルによっては、婚礼シーズンでも利用できる所はあります。
ホテル宴会場で僧侶による、講話を行ない、その後、同じ会場で会食する方法があります。
この場合、読経・焼香はありません。
偲ぶ会の場合、歓談(会食)が始まる際、あるいは、歓談(会食)の途中で「献杯(の発声)」があります。
主催者が発声者に依頼するのですが、発声者は発声の前に故人との「縁(ゆかり)」について、ひと言触れる場合が多いです。それは、1~2分です。
なお、故人が好んでいた飲料を、祭壇前に置くこともお忘れなく。
弊社の実績豊富なフェアウェルプランナーが親切丁寧にお応えいたします。
費用の概算、おすすめの会場、開催の時期、プログラム、お別れの会・偲ぶ会・社葬の違い…など