こんにちは、フェアウェルプランナー浜盛です。
さて、今回の豆知識のテーマは、「主催者のご挨拶」についてです。
新型コロナウィルスの飛沫感染予防として、マスクをしたままご挨拶することがマナーとなりつつあります。ご挨拶の冒頭に「マスクをつけたまま失礼します」と一言お伝えすると丁寧です。
または、表情が見えるように、透明なマスクをつけてご挨拶することもよいと思います。
主催者の挨拶の原稿を作成する上で必要なことを、手順を追って考えていきたいと思います。
1、お別れの会の開催目的によって、挨拶の内容は異なります。
お別れの会の開催目的を考えてみましょう。
目的A.故人の功績を身内(社内)だけでなく、所縁(ゆかり)の人(社外)と共に称(たた)える。
目的B.故人の人柄、足跡、生きざまを偲ぶ
目的C.故人の遺志を再確認し、関係者間であらためて共有する。社内の再結束を図る。
目的D.新社長、新経営陣のお披露目を兼ねる。
目的E.取引先との関係を強化する機会と捉(とら)える。弔問外交。
2、「起承転結」の各項目の中で、話す内容を選択し、スピーチを構成する。
<起>
□参会者に対して、出席してくれたことに対して、礼を述べる。特に、遠方からの来訪者に。
□遺族に、哀悼の気持ちを伝える。励ましの言葉も添える。
<承>
□故人が没した経緯を(個人情報の観点を踏まえて)報告する。
□故人の「人となり」に触れる。思い出、エピソード。言い続けていたことなど。
□故人の功績、実績、貢献、足跡を(具体的な例を挙げて)話す。
※「自分は何によって憶えられたいか、を問い続けることが人生」(ピーター・F・ドラッカー)
<転>
□新社長(後任社長)として、決意を伝える。
□参会者に対して、あらためて、お願いする。(例「倍旧のお引き立てを賜りますよう」)
<結>
□会のもてなしに非礼があった場合は、お許し下さい、と。
□「お時間の許す限り、この後、ごゆっくりお過ごし下さい」と締めくくる。
3、ご留意点
(1)お別れの会は、葬儀ではありません。決まりきった言い方、言い回しは、極力、避けてください。ご自身の言葉で、温かみが感じられる内容を、表情・声のトーン・スピードに留意して話していただくと良いと思います。
(2)思い出やエピソードは、ユーモアを交えて、場を和ませられるとよいですね。
(3)主催者の挨拶の後、追悼のお言葉(1~2名)、献杯のご発声が続きます。さらに、参会者は着席していないこと、昼食時間帯であることを考慮すると、長くなっても、4分程にまとめられるとよいと思います。
例文としてご紹介します。
起承転結 | 偲ぶ会・主催者挨拶・例① | 偲ぶ会・主催者挨拶・例② |
---|---|---|
起 |
皆さま、本日は、〇〇〇(故人名)と私たち家族のために、 わざわざお越しくださいまして、本当にありがとうございました。 |
皆さま、本日は、〇〇〇(故人)の偲ぶ会に |
承 |
さて、〇〇〇は、●年●月●日、突然、旅立ちました。 ところで、きょうのこの会は故人が望んだ形です。 本人の遺志を尊重しました。 |
さて、先日、家族葬という言うスタイルで、〇〇〇の旅立ちを見送りました。 家族と親族だけでしたので、ゆっくり、別れを行ないました。 その後、私を含め身内が大分落ち着きましたので、きょう、皆様と共に、故人を偲ぶ機会を持たせていただきました。
この後、どうかごゆっくりお過ごしください。ところで、私どもの結婚生活は、●●年に及びました。 その間、家庭や仕事の面で、沢山の思い出を作ることが出来ました。その中で一番の喜びは、結婚後●●年目の、長女〇〇の誕生でした。 その〇〇は、自分のウェディングドレス姿や、孫の顔を見せたかったのではないかと思いますが、残念ながら、それは叶いませんでした。 |
転 |
また、この会をご案内させていただいた方々は、あらかじめ、故人が指名していましたので、皆様に訃報をお届けしました。 どうかご理解くださいますよう、お願い申し上げます。 |
しかし、故人の闘病生活を通して、長女と私は、家族の「絆(きずな)」をあらためて確かめ合うことが出来ました。 それを糧(かて)に、これからの人生を歩んで行こう、と思います。 |
結 |
最後になりますが、この後は、お時間の許す限り、故人をお偲び下さいますよう、お願い申し上げまして、私のご挨拶とさせていただきます。 ありがとうございました。 |
どうか、これまで同様、お付き合いくださいますよう、よろしくお願い申し上げまして、私のご挨拶とさせていただきます。 ありがとうございました。 |
故人と向き合い、原稿を作成する時間こそが、お別れの会、偲ぶ会、社葬を行う上でも大切なことだと存じます。ご挨拶文を作成する上で、少しでも参考になれば、幸いです。
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